日頃より王将果樹園、oh!show!cafeをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
2022年3月18日(金)10:00から農福連携をコンセプトにした「ノウフクじはんき」がオープンします。
○「ノウフクじはんき」を始動する背景
【自販機の充実を進める】
当園の前を走る国道 48 号線は山形と仙台方面を繋ぐ道路です。さくらんぼシーズンを中心に賑わいますが、夜間は暗く、冬季は人通りもまばらです。地域の安全と年間を通した賑わいづくりの観点から、当園で収穫した果物を販売する「くだものじはんき」、同じ 48 号線沿いの異業種と連携開発した「大判 4 8餃子」など当社独自の6次化事業関連商品を販売する「ろくじかじはんき」、オリジナルのソフトドリンク類を提供する「のみものじはんき」など延べ 12 台の自販機を設置しています。
【農業は人材確保が常に課題】
農業は農繁期の人手不足が課題ですが、他産業に比べ作業の効率化や自動化が遅れています。加えて、生産人口やコロナにより県をまたいでの就労ニーズが減少し、近年人材確保が一層難しくなっています。当園でも草刈りなどの軽作業にロボットを導入するなど「スマート農業」を推進しています。
【「農福連携」の推進も、低い認知度】
一方で、近年山形県が農業の担い手不足対策と障がい者の就労機会確保の両立を図る「農福連携」を推進する動きが見られます。当園でも、2019 年に制定された日本農林規格「ノウフク JAS」(障がい者が生産工程に携わった食品の農林規格)を山形県下で 2 番目に取得(全国では約 30 件の取得者)しています。規格は本来均一や効率の追求を意味しますが、「ノウフク JAS」は多様性に価値を見出します。
また、農水省が育成する農業と福祉の知識を持ち、農福連携に関わる農業者、福祉事業者、障がい者の3者に、実践手法を助言できる農福連携技術支援者も 1 名在籍しています。
そのような経緯もあり、当園では 20 年前から統合失調症の方をはじめ、近年は養護学校からインターンシップの受け入れや、県内の就労継続支援A型事業所と連携し高次脳機能障害の方に就労機会を創るなど障がい者の雇用を推進し、B型事業所からの施設外就労についても県平均工賃を大きく上回る賃金を支払うなど積極的に受け入れています。一般に、障がい者はコミュニケーションが苦手な方が多く、複数の作業を同時にこなすことが難しいです。しかし、特定作業は習熟すればきちんと対応できるため、当園の農作業を全て棚卸し、剪定、受粉、収穫、除雪など細分化し雇用を推進してきました。一方で、今後も障がい者に活躍の場を増やそうと考える中、「農福連携」の社会的認知度の低さを痛感していました。
【「農福連携」をもっと知って欲しい。障がい者が輝く場を】
そこで、「農福連携」を通じ収穫された果物やお菓子などの商品の販売に特化した「ノウフクじはんき」を新設し、2022 年 3 月 18 日(金)10:00 より始動することにしました。自販機には商品棚を自由に選択でき、繊細な取り扱いが必要な果物などに合わせて常温と冷蔵を 1 台で対応できる最先端のマルチモジュールベンダーを採用。
一般に障がい者が生産工程に関わった様々な商品は、障がい者フェアなどで障がい者自らがサポートを受けながら販売することが多いです。しかし、人とのコミュニケーションが苦手な方が多いことを踏まえると、障がい者が生産に従事した商品を 24 時間 365 日無人で常時販売できる仕組みを作ることが大切と考えます。その結果、障がい者の安定雇用、「ノウフク」をもっと身近に感じてもらう機会にもなり、強いては A 型事業所の平均賃金が全国平均を下回り、B 型事業所の平均賃金は全国最下位の水準にある山形県の障がい者の賃金の底上げに繋がればと考えます。
株式会社やまがたさくらんぼファームでは、これからも障がい者の皆さまが輝ける場所をつくるため、一緒に農業をできる環境整備を進め、農福連携のモデルケースをつくっていきます。関係者の皆さまには、引き続きご理解をいただき、ご支援いただければ幸いです。